【消費者行動論】消費者の購買行動のプロセスについて

【消費者行動論】
消費者の購買行動のプロセスについて

私たち消費者はモノを買うときに、どのようなプロセスを踏んで、モノを購入しているのか気になったことはありませんか。
消費者は購買行動を行うとき、様々な情報に影響され、またその情報を活用し、何をどこでどのように購入するか様々な「意思決定」を行い、いくつかのステージを辿ってモノを買っています。今回は、私たち消費者がどのようなステップを踏んでモノを購入しているのかについて簡単に紹介していきます。
※購買の意思決定については別の回にて紹介します。

まず、購買のプロセスは大きく分けて、以下のような5つのステップに分かれます。各ステップ(ステージ)について、どのようなことなのか詳細に見ていきましょう。

[問題意識]

[情報探索]

[評価・選択]

[購買]

[評価]

①問題意識
購買プロセスは以下のような問題を意識する事から始まり、消費者は製品やサービスで問題解決を図っています。
・最近、古いゲーム機のソフト飽きたから最新のゲーム機と面白そうなゲームソフトが欲しい。
・エアコンが壊れたから、エアコンを買い換える必要がある。

②情報探索
消費者は、新聞、雑誌、広告、テレビ、ラジオ、インターネット等で問題解決に繋がる特定の製品、関心のある製品の情報と接触し、
購買意欲が高くなったところで、特定の製品、サービスについて情報検索活動を始め、情報収集・分析を行います。
「情報探索」のプロセスの段階では、消費者には以下3点の要因が影響を及ぼし、消費者は詳細に情報を収集し、分析を行います。

◾️知覚リスク
消費者が知覚している危険性
(価格が高い商品ほど、購入への失敗の恐れが高くなる)
◾️知覚ベネフィット
商品を購入することによる消費者への利益
◾️市場要因、状況要因
消費者による商品への評価、商品の売れ行き

③評価・選択
情報収集・分析が済んだら、選択肢を評価して、購買すべきブランドを選択します。
ブランドの選択と共に店舗の選択も行われます。
「店舗選択」では、以下の点が基準となります。

◾️店舗のイメージ(雰囲気)
「全体的知覚(お店全体の印象)」が店舗選択に影響される。
◾️店舗の立地
実際の立地より、消費者が知覚する立地の方が店舗選択に影響される。
(店舗用の駐車場が沢山あって、自動車で買い物に行きやすい、また、家から近く通いやすい場所にあるか等が重要となる。)
◾️品揃え
商品カテゴリー、商品アイテム、価格帯、メーカー別などの商品分類を揃えているかが店舗選択に影響される。
◾️価格
実際の価格付けより、消費者の知覚価格が店舗選択に影響される。
◾️販売員
販売員の態度、対応力、信頼性、顧客知識、専門知識が店舗選択に影響される。
◾️消費者のロジスティクス
消費者が店舗で買い物する際の動きやすさが影響される。消費者が買い物を開始してから、自宅に行き着くまでの全体のプロセスでの快適さが重要となる。
◾️距離抵抗
特定の商品のある売り場までの距離、また、その商品カテゴリーの売り場の広さが影響される。
※ハフモデル理論によると消費者がある特定の店舗を選択する確率は、売り場の面積は比例し、売り場への到達時間に反比例する。
つまり、消費者にとって売り場が広い、売り場に近いと感じさせた方がより優先されて選択される可能性が高いということになります。
◾️店舗のレイアウト
店舗の選択には、商品の買いやすさが影響してきます。買いやすさが影響する要因は以下があります。
・商品の位置
・商品の配列方法
・消費者のその店舗への知識や経験
・店舗内の案内展示
・商品カテゴリーやアイテム・ブランド数
・店舗内の雰囲気、店舗全体のデザイン
・販売員の対応力

④購買
購入すべき商品決定後には、その商品を買う行動が起こります。
商品を購入する為には、以下のサブステップが必要になり、また、各ステップで商品が買われるのに必要となるポイントがあります。

(1)商品の場所を見つける
point
消費者に出来るだけ見つけやすい場所に商品を陳列すること。
(2)商品の手に取る
point
消費者の胸の高さにある位置は目につきやすい、手に取りやすいと考えられているので、
そのことを考えて、商品を置く場所を考える。
また、その他にも、POP(購入時点広告)を置く、商品パッケージを目立ちやすくする、店内環境(音楽、温度、明るさ等)を工夫するなどといった方法で
商品を注目させやすくして、手に取りやすくする方法もある。
(3)商品をレジに持参して支払いをする。
point
商品と貨幣の交換をスムーズに進める為に、電子的処理システム
(POP(point-of-sales)(販売時点情報管理)システム、電子マネー、クレジットカード、デビットカードでの決済システム等)を導入する。

⑤購買後の評価
消費プロセスの最後は、購買後の商品評価である。同じブランドのリピート購買は、顧客満足(CS)が左右されます。消費者の満足度が高ければ、ブランド・ロイヤリティが形成される確率が高くなります。
ブランド・ロイヤリティが形成される為には、リレーションシップ(個人間や企業間の信頼関係)を結ぶ努力が必要であり、また加えて、リレーションシップを維持していく為の努力もしていく必要があります。

ブランド・ロイヤリティ
消費者のその商品への関与度が高く、ある特定のブランドを反復して購入する行動のこと。